「AIが便利なのは分かるけれど、うちのような会社で本当に使えるのか」。青森県内で事業を営んでいると、そう感じる場面は多いのではないでしょうか。
青森県内では、すでに自治体と民間企業の双方でAI活用が進んでいます。
県庁のチャットボット刷新、町役場の生成AI導入、段ボール工場のAI受注予測、りんご選果場のAIカメラなど、身近な業種で成果が出ています。
背景にあるのは深刻な人手不足です。人を増やして解決する道が細くなった今、1人あたりの生産性を上げる手段としてAIが選ばれています。
この記事では、青森県内の自治体10事例と民間企業4事例、あわせて14の取り組みを紹介します。
さらにWeb集客への応用、始めるための5ステップ、つまずきやすい注意点まで整理しました。読み終えたときには、自社で最初に手をつける業務が見えてきます。
なぜ今、青森の企業・自治体でAI活用が広がっているのか?

青森県でAI活用が加速している理由は、大きく2つあります。ひとつは人口減少による構造的な人手不足、もうひとつは県による相談窓口と補助金の整備です。課題と支援が同時に揃い、県内事業者が着手しやすい環境が生まれています。
青森県の人口減少・人手不足という経営課題
青森県の企業がAIに向き合うのは、働き手が減り続けているためです。
2025年国勢調査の速報値によると、青森県の人口は114万395人。2020年の前回調査から5年間で9万7589人減少し、減少数・減少率7.9%ともに過去最大です。
減少率は47都道府県中、秋田県に次ぐワースト2位です。県内40市町村のうち39市町村で人口が減っており、一部地域の問題ではありません。
さらに、進学や就職による転出が転入を上回る社会減少率は0.37%で全国最大です。若年層の県外流出が続いている以上、採用で人手不足を埋める発想には限界があります。
そこで必要になるのが、1人あたりの生産性を上げる発想への転換です。AIは設備投資と違い、月数千円で翌日から使えます。人を増やさずに事務作業を圧縮できる、数少ない現実的な手段です。
特に効果が出やすいのは、農業・水産・製造・建設・小売といった県内の主要産業です。繁忙期に業務が偏り、事務作業が特定の人に集中しやすい構造のためです。
県が後押しするDX・生成AI推進の流れ
青森県では、行政側が先に動いてAI活用の土台を整えています。
県は、DX相談にワンストップで対応する「青森県DX総合窓口」を運営しています。青森県DX推進ラボと連携し、サポートIT企業とのマッチングも実施中です。どこに相談すればいいか分からない、という段階でも受け止めてもらえる仕組みです。
資金面では「産業DX推進事業」があります。県内中小企業のデジタル活用を補助する制度で、令和7年度は生成AIによるメンテナンス業務支援システムの構築なども採択されました。
県庁自身も動いています。令和7年11月に生成AI導入業務の企画提案を公募し、本格導入へ進みました。県内企業の生成AI活用やRPA、クラウド事例を紹介するセミナーも開催されています。
相談先、補助金、参考にできる事例。この3つが揃いつつある今、「うちにはまだ早い」と考える理由は少なくなっています。では実際に、県内では何が起きているのでしょうか。
補助金の活用については、こちらもあわせてご覧ください。

【自治体編】青森県・市町村の生成AI活用事例

まずは自治体の事例から見ていきます。県庁のチャットボット刷新、町役場への生成AI導入、AIアバターによる窓口業務まで、10の取り組みを紹介します。住民サービスと職員の業務負担を同時に改善している点が共通しています。
青森県庁|AIチャットボットによる24時間の問い合わせ対応
青森県庁は、チャットボットの入れ替えで利用件数を倍増させながら、運用コストを7割強削減しました。
従来のシナリオ型は回答精度への満足度が低く、事前登録も職員の負担でした。そこでサイト情報を自動収集して回答を生成する「AIデジタルスタッフ」へ切り替えています。
除雪や熊の出没情報といった地域特有の質問にも対応でき、月額約22万円だった運用コストは約5万円へ。ホームページ更新とQ&A作成の二重管理も解消されました。
出典:https://www.ecbeing.net/contents/detail/p/653
おいらせ町|「exaBase 生成AI for 自治体」導入
おいらせ町は、全職員が使える形で生成AIを導入しました。
採用したのはExa Enterprise AIの「exaBase 生成AI for 自治体」で、LGWANに対応しています。アカウント数は無制限で、広報文作成や答弁作成に使える行政向けテンプレートも用意されています。
入力データを学習に使わない設定、禁止ワードの登録、国内処理のLLMへの限定といったセキュリティ機能も備わっています。最初から全員が触れる環境を作った点が特徴です。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000047071.html
青森市|庁内向け生成AIシステムの導入
青森市は、職員の負担軽減を目的に庁内向けの生成AIシステムを導入しました。
主な用途は文書作成やアイデア創出の補助、庁内業務FAQへの回答です。RAG機能により、例規やマニュアル、各種計画といった市独自の情報も検索して活用できます。
セキュリティはLGWAN環境での利用、国内限定のデータ処理、学習禁止設定という構成です。自社のマニュアルをAIに読ませる発想は、中小企業でもそのまま応用できます。
出典:https://www.city.aomori.aomori.jp/_res/projects/default_project/page/001/009/898/1121_kaiken_3-1.pdf
中泊町|生成AIの利用開始と独自ガイドライン整備
中泊町は、使い始める前にガイドラインを整えた点が特徴です。
令和5年9月1日から1か月間のトライアルを開始し、文章の要約・翻訳、あいさつ文やメールの作成、校正、情報整理、アイデア発想などを用途に定めました。
町のセキュリティポリシーに基づく諸規定とセットでガイドラインを整備しました。公式サイトで公開されているため、社内ルールのひな形として参考にできます。
出典:https://www.town.nakadomari.lg.jp/soshikikarasagasu/sogosenryakuka/gyomuannai/5/1/1/4594.html
三沢市|LINEチャットボット「みさわしつじ」による移住相談
三沢市は、移住相談の窓口をLINE上に置きました。
2020年12月22日にリリースされ、移住相談専用のLINE公式アカウントを友だち追加するとチャットができます。
特徴は3つです。相談会に行かなくてもいつでも回答が得られること、質問データが蓄積されて市の政策に生かされること、情報更新時に通知が届くこと。対応の自動化と改善材料の収集を同時に行う設計は、企業のSNS運用にも応用できます。
出典:https://misawa-iju.com/ / https://heptagon.co.jp/showcases/misawa-city/
青森県知的財産支援センター|県内中小企業向けの著作権ガイドブック
県内中小企業に向けたAI生成物の注意喚起も出ています。
公開された著作権ガイドブックでは、AIが生成した画像やイラストが既存の著作物と類似している場合、著作権侵害となる可能性が高いと指摘されています。
そのうえで、類似する場合はそのまま使わず、大幅に手を加えて利用するよう示しています。画像生成AIを販促物に使うなら、制作前に確認しておきたい資料です。

出典:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/sangyo/innovation/files/copyright_guidebook.pdf
青森県|生成AI導入業務の企画提案募集
県庁への本格導入に向けた公募も行われました。
業務名は「青森県生成AI導入業務」で、委託期間は契約締結日から2026年3月31日まで、予算上限は税込400万円です。
2025年11月17日に公募が始まり、12月11日のプレゼンテーション審査を経て、12月中旬に契約という流れでした。問い合わせ先は青森県総合政策部DX推進課です。県が予算を組んで導入を進めている事実は、県内事業者の判断材料になります。
出典:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/seisaku/dxsuishin/seiseiai.html
三戸町|マイナンバー×AIアバター「AIさくらさん」による書かない窓口
三戸町は、住民が申請書を手書きしない窓口を実現しました。
2024年10月、マイナンバーカードとAIアバター「AIさくらさん」を活用した「書かない窓口」を開始しています。
カード情報から申請書を自動で作成・印刷し、手続きの案内もAIが支援する仕組みです。住民の待ち時間と手書きの負担が軽くなり、行政DXのモデルケースとして全国展開も視野に入れられています。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000060004.html
むつ市|庁内業務支援でのChatGPT試験導入
むつ市は、小さく試してから広げる進め方を取りました。
2023年7月、職員向けの業務連絡サービスにChatGPT機能を試験導入しています。対象は約40人の職員で、説明会も実施されました。
表計算ソフトの操作方法を質問すると、短時間で回答が得られます。9月末までの効果を検証し、10月からの本格導入を検討する流れでした。この規模感は中小企業でも真似できます。
出典:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/atv/643930?display=1
弘前市|市民向けAIチャットボット試験運用
弘前市は、問い合わせ対応を24時間365日カバーする体制を試しています。
2023年10月30日から、AIを活用したチャットボットの試験運用を開始しました。市ホームページなどの情報をもとに、生成AI(OpenAI)が質問への回答を作成する仕組みです。
運用にあたり、回答の正確性は保証されない点と個人情報の入力禁止を明示しています。この姿勢は、企業がチャットボットを設置する際にも参考になります。
出典:https://www.city.hirosaki.aomori.jp/oshirase/jouhou/2023-1030-1116-22_aichatbot.html
【企業編】青森の民間企業によるAI活用事例

ここからは民間企業の事例です。段ボール製造、冷熱設備、りんご選果、商品卸売という県内の主要産業で、実際に数字として成果が出ている4社を紹介します。いずれも大企業ではなく、県内で事業を営む企業の取り組みです。
森羽紙業株式会社(五所川原市・段ボール製造)|AI受注予測システム
五所川原市の森羽紙業は、AIによる受注予測で年間800万円以上のコスト削減効果を算出しました。
従来は農家などからの聞き取りや担当者の経験則に頼っており、時間と専門人員を要していました。そこでNTT東日本青森支店の提案を受け、社内の過去8年分のデータに市況・天候・カレンダーのオープンデータを組み合わせた予測モデルを構築しています。
予測精度は30%以上改善し、大型トラックの配車数を2台、在庫数も2割削減しました。
出典:https://www.dx-aomori.com/case/3062/ / https://www.dx-aomori.com/case/76/ / https://mutsushimpo.com/news/vb0b4r2u/
大青工業株式会社(青森市・冷熱設備)|生成AIを活用したメンテナンス業務支援システム
青森市の大青工業は、令和7年度「産業DX推進事業」の補助事業者に採択されました。
取り組みは「生成AIを活用したメンテナンス業務支援システムの構築」です。1948年創業で、冷凍冷蔵設備の設計・施工・メンテナンスを主事業としています。
AWSイベント登壇や業界最優秀賞受賞など対外的には先進的な一方、社内では約30年来の手書き伝票が続いていました。補助金で社内側を整える順番は、参考にしやすい進め方です。
出典:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/seisaku/dxsuishin/r7_dx_jisseki.html / https://www.dx-aomori.com/case/5898/
ゴールド農園(弘前市・りんご移出)|AI選果機による一次選果
弘前市のゴールド農園は、りんご業界で先行してAI選果機を導入しました。
2024年完工の新選果場に設置され、上部1台・側面4台のAIカメラで撮影した画像から玉の大きさや傷の有無・程度を判別します。作業員の目視に比べ、作業効率は2割向上するとされています。
ただし自動選別にはデータの蓄積が必要で、2024年産は人による一次選果を継続する計画でした。導入してすぐ完全自動にはならない点は押さえておきましょう。
出典:https://mutsushimpo.com/news/frtcz415/
株式会社岩岡(八戸市・商品卸売業)|受注業務の効率化
八戸市の岩岡は、令和7年度「産業DX推進事業」の補助事業者として受注業務の効率化に取り組んでいます。
卸売業では電話やFAXでの受注が残っている企業が多く、入力作業が担当者の時間を奪います。
同社は「イワオカエクスプレス」の構築により、受注業務の効率化と地域循環型エコプラットフォームの実現を目指しています。八戸エリアでも県の補助制度を使った取り組みが動いていることは、検討を始める材料になります。
出典:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/seisaku/dxsuishin/r7_dx_jisseki.html
自社でどこから手をつけるべきか迷ったら、一度ご相談ください。吉和の森八戸web制作集客は八戸市に拠点を置き、Webサイト制作からSNS運用、生成AI活用支援まで対応しています。

【集客編】AIでWeb集客・SNS運用を効率化する使い方

ここまでは業務効率化の事例が中心でしたが、AIは集客の場面でも力を発揮します。投稿ネタが浮かばない、ブログを更新する時間がない、口コミへの返信が後回しになる。こうした悩みは、県内の中小企業からよく聞かれます。
集客業務は「文章を書く」「アイデアを出す」作業の比率が高く、AIと相性がよい領域です。しかも社内の機密情報を入力する場面が少ないため、リスクを抑えながら始められます。
ここでは、SNS投稿、SEOコンテンツ、クリエイティブ制作、口コミ返信という4つの使い方を紹介します。いずれも今日から試せる内容です。
SNS投稿の企画・文章作成をAIで高速化する
SNS運用で最も時間がかかるのは、投稿そのものではなくネタ出しです。
毎日投稿しようと決めても、3日目には何を書くか思いつかなくなる。これは担当者の能力ではなく、アイデアを出し続ける作業自体の負荷が高いためです。
AIには「青森県内の建設会社が、地元の若手求職者に向けて発信するInstagram投稿のネタを20個出して」といった形で依頼できます。出てきた案から使えそうなものを選び、自社の実情に合わせて書き換えれば、企画会議の時間を大きく短縮できます。
キャプションの下書きやハッシュタグ案も同様です。ゼロから書くより、たたき台を直すほうが早く終わります。

ホームページ・ブログのSEOコンテンツ制作に活かす
ブログ記事の制作では、構成案づくりと下書きをAIに任せ、仕上げを人が担う分担が現実的です。
検索から集客するには継続的な更新が欠かせませんが、本業のかたわらで記事を書き続ける負担は大きすぎます。作業を分ければ、更新が止まるリスクを下げられます。
たとえば「青森 リフォーム 費用」というテーマなら、読者が知りたい項目の洗い出しと見出し構成をAIに出させ、実際の施工価格や地域事情は自社の情報で埋めていきます。相場や事例といった一次情報こそが、他社との差になります。
AIの出力をそのまま公開するのは避けてください。事実確認と自社ならではの情報追加は、必ず人が行いましょう。

商品写真・バナーなどクリエイティブ制作の効率化
画像生成や加工のツールを使えば、制作コストを抑えながら販促物を用意できます。
デザイナーに毎回依頼すると費用と時間がかかり、キャンペーンの回転が遅くなります。社内で下地を作れる状態にしておくと、施策のスピードが上がります。
背景の差し替え、不要物の除去、SNS用バナーのサイズ違い展開などは、ツールで完結しやすい作業です。一方、企業の顔となるロゴやメインビジュアルは、専門家に任せる領域として切り分けましょう。
使用時は、青森県知的財産支援センターが示すとおり、既存の著作物と類似していないか確認しましょう。商用利用の可否は、ツールごとの規約で必ず確認してください。
問い合わせ・口コミ返信の文面作成で対応品質を安定させる
口コミやDMへの返信は、テンプレート化すれば担当者による品質差をなくせます。
返信は担当者の経験や気分に左右されやすく、対応が遅れたり、そっけない文面になったりしがちです。口コミへの返信は他の閲覧者にも見られるため、品質のばらつきがそのまま印象に影響します。
好意的な口コミ用、改善要望への返信用、予約に関する問い合わせ用など、パターンごとに基本文をAIで作り、共有フォルダに置いておきます。あとは個別の内容に合わせて一部を差し替えるだけです。
Googleマップの口コミ対応まで整えると、地域検索からの来店につながりやすくなります。

まず何から始める?青森の中小企業のAI活用5ステップ

事例を見て「やってみよう」と思ったら、次は進め方です。ここでは業務の棚卸しから、定着させて次の業務へ広げるまでを5つのステップで解説します。
STEP1|時間を奪っている業務を洗い出す
最初にやるのはツール選びではなく、業務の棚卸しです。
ここを飛ばすと「導入したのに使わない」という失敗に直行します。使う場面が決まっていないツールは、誰も開かなくなるためです。
効果が出やすいのは、繰り返し発生し、文章や情報整理が中心の業務です。見積書や報告書の作成、取引先へのメール、議事録おこし、補助金申請書類の下書き、同じ質問への回答などが該当します。
やり方は簡単です。1週間、社員に「この作業に何分かかったか」をメモしてもらい、月あたりの時間で並べ替えて上位3つに絞ります。この段階では「AIでできるか」を考えず、時間泥棒の可視化に集中してください。
STEP2|使うツールを1つに絞る(ChatGPT・Gemini・Copilot)
比較検討に時間をかけるより、1つ決めて使い始めるほうが早く進みます。
文章作成や要約といった基本用途では、主要ツールに大きな差はありません。それより大切なのは全社員が同じツールを使うことです。バラバラだとノウハウが共有されません。
目安として、ChatGPTは情報が多く社内で教え合いやすい選択です。GeminiはGoogleドキュメントやGmailを日常的に使う会社と相性がよく、Microsoft 365 CopilotはWordやExcelが業務の中心の会社に向いています。
迷ったら「今、社内で一番使っているツールは何か」で決めると失敗しにくいです。無料版で1か月試してから有料版に切り替えましょう。

STEP3|社内の利用ルールと情報管理を決める
ルールは導入後ではなく、使い始める前に決めます。
後から作ると、危ない使い方がすでに定着しているためです。難しい規程は不要で、A4一枚で十分に機能します。
決めたいのは4項目です。入力してよい情報とだめな情報、使ってよい業務の範囲、生成物を誰が確認するか、困ったときの相談先。顧客の氏名や取引先の資料、未公表の価格は入力しない、と線を引いておきます。
中泊町など県内自治体が公開しているガイドラインは、社内ルールのひな形として使えます。禁止事項ばかり並べると誰も使わなくなるため、「これはOK」を先に列挙する構成にしましょう。

STEP4|小さく試し、削減できた時間で効果を測る
全社展開の前に、「1業務 × 1か月」で検証します。
ここで数字が出ると社内の空気が変わります。効果は売上ではなく「何時間減ったか」で測りましょう。中小企業のAI活用は、まず時間の創出が成果です。
たとえば議事録作成が1回90分から30分になり、月8回なら8時間の削減。時間単価2,500円で計算すれば月2万円分の効果になります。
担当者は「AIに詳しい人」ではなく「その業務を一番やっている人」を選んでください。うまくいかない原因の多くは指示の粗さで、「誰向けに」「何文字で」を足すだけで精度は変わります。数字は必ず記録に残しましょう。

STEP5|定着させ、次の業務へ広げる
導入の失敗は「使えなかった」ではなく「使う人が増えなかった」で起きます。
1人の成功体験が個人の中に留まれば、会社の力にはなりません。定着は気合いではなく仕組みで解決します。
具体的には、うまくいった指示文を共有フォルダに集める、月1回15分の共有会を開く、推進役は詳しい人ではなく聞きやすい人を置く、朝礼や定例に組み込む、の4つです。
広げる順番は、社内向け業務から対外文書、最後に集客・情報発信と、リスクの低い順に進めます。ツールを増やすより、同じツールで用途を増やすほうが定着は早いです。

AI活用でつまずきやすい落とし穴・注意点3つ

前向きになった方に、先回りで3つの注意点をお伝えします。どれも「怖いからやめよう」という話ではなく、知っていれば避けられるものばかりです。県内の中小企業がつまずきやすいポイントを整理しました。
注意点①:情報漏えい・著作権リスク
入力する情報の線引きを、最初に決めておきましょう。
顧客の氏名や連絡先、取引先から預かった資料、未公表の価格や仕入先は入力しないのが原則です。無料版では入力内容が学習に使われる場合があるため、法人利用なら学習させない設定や法人プランの有無を確認してください。
著作権にも注意が必要です。AIが生成した画像や文章が既存の著作物と似ていると、権利侵害になり得ます。そのまま使わず、必ず手を加えてから利用しましょう。
青森県知的財産支援センターが県内中小企業向けに考え方を公開しているので、あわせて確認しましょう。
対策はA4一枚のルールで足ります。まず「入力してよい情報」を決めることから始めてください。
注意点②:導入したのに活用しきれない
最も多い失敗は、契約したまま誰も使わない状態です。原因はツールではなく、使う場面を決めていない点です。「便利らしいから入れてみた」で終わると、翌月には誰も開かなくなります。
避けるには、全社一斉導入ではなく1業務・1担当者から始めます。最初の出力精度が低いのは当然で、指示に「誰向け・何文字・どんなトーン」を足すだけで結果は変わります。
うまくいった指示文は共有フォルダに残し、ゼロから考えない状態を作りましょう。推進役に「詳しい人」ではなく「聞きやすい人」を置けば、社内の相談が回り始めます。

注意点③:導入コストが高すぎる
高額なAIシステム開発から入る必要はありません。
中小企業の業務には、月数千円のツールで始められる領域が数多くあります。まず無料版で1か月試し、常用すると決めてから有料版へ切り替えましょう。
ただし、ツール利用料だけでなく「教える時間」「ルール整備」「確認工数」といった見えない負担も計算に入れてください。
費用対効果は「削減できた時間 × 時間単価」で判断します。IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金、県の産業DX推進事業を使えば、負担も抑えられます。

まとめ:青森のAI活用事例に学び、自社の一歩目を決める

青森県では、県庁や市町村の生成AI導入から民間企業の受注予測やAI選果まで、幅広い取り組みが動いています。大企業だけの話ではありません。
背景にあるのは人口減少による人手不足です。採用で埋める道が細くなった今、AIで生産性を上げる選択肢は現実味を増しています。
始め方は、時間を奪う業務を洗い出し、ツールを1つに絞り、A4一枚のルールを決め、1業務・1か月で試すこと。県の相談窓口や補助金も活用できます。
何から手をつけるか迷ったら、お気軽にご相談ください。吉和の森八戸web制作集客は八戸市を拠点に、Webサイト制作やSNS運用、生成AI活用支援までお手伝いしています。


